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斎木課長の視線が、給湯室に向かう私を目で捉えたのが分かった。
私は、お茶ですか?コーヒーですか?とお伺いを立てる目線で課長を見る。
「柳本くん。応接室までコーヒーを2つお願いできるかい?」
「はい」
声を掛けられた女子社員が、行き場所を無くしてペースダウンした私を追い越す。
あれ・・・?
奇麗にまとめられた栗色の髪。膝が見えるか見えないかくらいのスカート。程よい高さのヒールのパンプスが、スラリと伸びる足の美しさを引き立てる。微かに残る甘い香り。
完敗・・・。
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