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「君はお茶出しなんかしなくてイイ。ああいうのは一年生がやればいいよ。今日は髪の毛ばっかりいじってた柳本さんに頼んだけどね」
だから・・・、だから私にコーヒー頼まなかったの?
私の見た目が良くないからじゃないの?
「あの後、栗原さん表情無くしたから、気になってね」
わざわざこんなことで呼び止めてくれたの?
細やかな気配り、優しいフォロー。
なんて素敵な人なんだろう・・・。
私、生まれてきて良かった。勉強頑張って良かった。この会社に入って良かった。斎木課長に出会えて良かった!!!
世の中には、こんなに素晴らしい男性が居るんだ!
あの後、自分が何て答えて、どうやって挨拶して帰って来たのか、舞い上がってて全く覚えてない。
部屋でアップルティーを飲みながら、私の胸はひたすら幸せに満たされていた。
さっき帰宅したばかりなのに、今すぐ課長に会いたい。
早く明日になればイイ。
会社に行くのが苦痛だなんて、もう言わせない。
アップルティーを一口飲んで、ほぅ・・・と一息ついた時だった。
ピピピピ ピピピピピピ・・・
聞き慣れない電子音が流れ出した。
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