初恋は突然に

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「何してんのよ!泥棒!」 私は叫んで仲村から携帯を奪い取った。 「人聞きの悪いこと言うなよ。ここに置いたままだったから、誰のだろうと思って見てただけだろ」 「何言ってんの?私の座ってた場所にあるんだから私のでしょ!あなたが持って来た雑誌がここに置いてあるのが何よりの証拠じゃない!」 怒る私。 「そうだっけ?」 とぼける仲村。 「ふ、ふざけないで・・・」 イライラ最高潮。怒鳴ろうとしたその時だった。 カチャ・・・ 別の人が休憩にやって来た。 私はそれ以上、彼に何かを言うことを止めた。 彼を怒鳴って目立つことは、益々自分を追い詰めることになると思ったから。 目立つと居辛くなってしまう。 私はギロリと仲村を睨み、携帯を奪い取ると休憩室を後にした。
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