初恋は突然に

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「は、はい」 急いで起立した私。 声を掛けて来たのは、斎木課長だった。 私、何かしたのかな・・・ 今日ここへ来て、一番最初に名指しで話掛けるなんて、よっぽどの何かだろう。 しかも相手は社長のお孫さんで、この若さで課長。 どんな立場でどの程度の扱いをされる人なのか、私でも理解できる。 「君・・・」 「はい!」 ドキドキドキドキ・・・ 何?何なの?早く言ってよ。 私なんかに用は無いでしょ? ほら、みんなが変に思ってこっちを見てる。 やっと仲村から解放されたのに、そっとしておいて欲しい。 「とても仕事が早くて正確らしいね。係長も褒めてたよ」 耳に届いたのは思ってもみなかったポジティブな響き。 「はう・・・?」 あまりにも驚いて、私は妙な声を出してしまった。
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