初恋は突然に2

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あれから毎日柳本さんの行動が、ううん、彼女が課長に近づかないかどうかが気になっていた。 課長と彼女の休憩時間は幸い今日まで重なることは無かった。 どうやら今日も課長が先で柳本さんは遅い休憩のようだ。 私は安心して休憩に入った。 今日は寝坊してしまってお弁当が作れなかったから、近くのコンビニにパンでも買いに行こうと外へ出た。 「栗原さん」 突然後ろから呼び止められ、私は足を止める。 こ、こ、この声は・・・ 「これからお昼?」 さ、さ、さ、斎木課長!!! 爽やかな笑顔をたたえ、こちらに歩み寄って来る。 「は、は、はい」 どうにか返事をしたけれど、呼吸困難で倒れそうだった。 「今日はお弁当じゃないんだね?」 「あ、朝寝坊してしまって、今日はパンでも買おうかと思いまして」 「そうか。もし良かったら一緒にどう?この前知ったんだけど、そこの喫茶店、カツサンドが美味しいんだ」 「え?私・・・ですか?」 私が毎日お弁当だと知っているだけでも驚きなのに、ランチに誘われるなんて・・・。
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