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「いつもにも増して相槌が素っ気ない」
「・・・ごめん」
口下手な私と話すのなんて、結構話題考えたりして大変なはず。
そんな私に、懲りずに電話してくれる仲村に対して気のない返事を繰り返していたことを詫びた。
「別にいいよ。それより、話したいことがあるなら遠慮しないで言えばいい。『聞いて』って言えばいくらでも聞いてやるから」
「うん・・・聞いて。あのね」
「おう」
自分でも驚くほど自然に仲村に従ってる。
私、よほど課長の話をしたかったのだろう。
いつもは反発ばっかりしているくせに、私も現金な女だ。
「四日前ね、斎木課長がランチに誘ってくれたの」
「え!マジで!?」
「う、うん・・・」
私はゆっくりと、その日の出来事を仲村に話し始める。
「うん」「うん」「良かったじゃん」 「で?」
優しく、次の言葉を促すように打たれる相槌。
私は自然に、躊躇なく話を進めることが出来た。
あまりにも自然だった。
話を聞いてもらえて楽しかった。
だから、つい私は口走ってしまった。
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