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「課長が言ってくれたように、メガネ外したほうがいいのかな・・・。そしたら少しでも可愛く見えるのかな・・・」
「・・・」
相槌が聞こえない。今の今まで絶妙な間とトーンを保って提供されていた相槌が・・・。
はっ!私、なんて恥ずかしいことを!!!
「ごめ・・・、忘れて。今の忘れて」
私は自分に驚いて訂正した。
こんな見た目で図々しい。私をバカにして爆笑する仲村を想像していた私。でも仲村の反応は違っていた。
「ちぇ。なんだよ。結局あんたを動かしたのは斎木のヤツだってことかよ。俺もコンタクトにしろって、同じようなこと言ったんだけどね」
本当に不機嫌そうな仲村の声。「あ~あ」って大きなため息混じりの声を出した。
「だから、忘れて・・・」
言ってしまった言葉は取り戻せないから、忘れて貰うしかない。私は必至で仲村に乞う。
「お願い仲村。今のは・・・」
私の懇願を遮って、仲村が言う。
「ダメだね。忘れない。オレの提案だったのに、斎木のヤツの手柄みたいになって気に入らないね」
ちょっと、不機嫌な声色に私は焦る。
「手柄とかじゃないし。そもそもコンタクトにする勇気も無いから」
私は急いで再度訂正した。
そんな一生懸命な私に、仲村は追い討ちをかけた。
「あんたが斎木に惚れてるって、本人にバラしちゃおうかな~」
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