初恋は突然に2

19/39

240人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
「課長が言ってくれたように、メガネ外したほうがいいのかな・・・。そしたら少しでも可愛く見えるのかな・・・」 「・・・」 相槌が聞こえない。今の今まで絶妙な間とトーンを保って提供されていた相槌が・・・。 はっ!私、なんて恥ずかしいことを!!! 「ごめ・・・、忘れて。今の忘れて」 私は自分に驚いて訂正した。 こんな見た目で図々しい。私をバカにして爆笑する仲村を想像していた私。でも仲村の反応は違っていた。 「ちぇ。なんだよ。結局あんたを動かしたのは斎木のヤツだってことかよ。俺もコンタクトにしろって、同じようなこと言ったんだけどね」 本当に不機嫌そうな仲村の声。「あ~あ」って大きなため息混じりの声を出した。 「だから、忘れて・・・」 言ってしまった言葉は取り戻せないから、忘れて貰うしかない。私は必至で仲村に乞う。 「お願い仲村。今のは・・・」 私の懇願を遮って、仲村が言う。 「ダメだね。忘れない。オレの提案だったのに、斎木のヤツの手柄みたいになって気に入らないね」 ちょっと、不機嫌な声色に私は焦る。 「手柄とかじゃないし。そもそもコンタクトにする勇気も無いから」 私は急いで再度訂正した。 そんな一生懸命な私に、仲村は追い討ちをかけた。 「あんたが斎木に惚れてるって、本人にバラしちゃおうかな~」
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

240人が本棚に入れています
本棚に追加