初恋は突然に2

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心の準備は出来ていたはず。だけどやっぱり怖かった。 飲めない条件を突きつけられたら、課長にバラされたら、恥ずかしくて会社に行けない。 いつの間にか震えていた手。 ドアは開かれたのに動かない足。 直視できない仲村の顔。 「顔、真っ青だぞ?」 止めることの出来ない時間の中で、動くことの出来ない臆病な私。 「無茶な条件は出さないで・・・お願い」 自然と泣き出しそうになる。 「本気にしてたのか?冗談だよ」 仲村が私の頭をポンポンと叩いて顔を覗き込んだ。 「バカだな。バラすなんてしない。ただ、ここに来て欲しかっただけ」 その言葉を聞いた瞬間、全身の力が抜けた。 私はヘナヘナとその場に座り込む。 「はぁ、あ、はは・・・良かった・・・」 しゃがんで私と目線を合わせた仲村が手を差し伸べる。 「ごめんな・・・」 仲村の手を取りながら私は思った。 頭ポンポンって、ああいう感じなんだ。課長にしてもらいたかったな・・・
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