初恋は突然に2

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仲村に支えられ、ようやく『ぴのきお』の店内に入った。 「何飲む?」 「あ・・・うん。アップルティー」 私が言うが早いか、仲村はウェイターさんを呼んでアップルティーを注文した。 仲村の前には既にコーヒーが置いてあり、その残りの量から少し前には到着していたことが分かる。 「オレって、よっぽど信用ないのな?」 「だって・・・」 「本当にバラされると思ったんだろ?」 「・・・」 なんだか私の方が責められてる気持ちになった。 冗談だとしても、嘘をついた仲村のほうが断然悪いのに。 ただ、それを冗談と捉えるのが普通なのかどうか、友達らしい友達が居ない私には感覚が掴めないから・・・。 私が普通じゃないのなら、仲村の非は大きくないのかもしれない。 「あ、ちょ、ごめん」 仲村に電話のようだ。 テーブルの上に置かれた携帯が、音は出ていないけれど、画面が明るく光っている。 「もしもし。  あ、うん。  じゃ、待ってるから」 短い会話を終えると、仲村は電話を切った。 「誰か来るの?」 仲村がそう言ったわけではないけれど、仲村が発した言葉で悟ることができた。 「ああ、オレが頼んだんだ。もしかして、オレと二人きりでデートだと思った?」 ニヤリとしてウィンクしながら人先指を私に向けた仲村。 面白くとも何ともない。もの凄く不安だった人の気も知らないで。 いくら何でも無神経だ。 「二人きりだと思ってたわよ。取り引きだと思ってたからね」 「・・・悪りぃ」 さっきまでのおチャラケ顔から一転、仲村はバツの悪そうな顔を見せた。
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