初恋は突然に2

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お互いの年齢とか何処に住んでるとか、あの店がお気に入りだとか、趣味はなんだとか・・・ 雑談という名の自己紹介が続く。 志穂さんは、外資系の会社に勤める旦那様と三年間の交際の末、二年前に結婚したそうだ。 結婚式には弟の友人なだけの仲村も何故か出席したらしい。 その志穂さんの弟という人は自由な人で、写真家になると言って世界中を飛び回っているという。 「サラちゃんご兄弟は?」「その辺りなら何駅使うの?」「その駅の近くのケーキ屋さん有名よね?」 あまり喋らない、もとい、喋れない私を上手に会話に入れて話してくれる志穂さん。 そういう気遣いもさることながら、どの仕草や言葉づかいをとっても、まさに大人の女性だ。 あの柳本さんのような女を全面に出す感じじゃない。なのに、彼女よりも数段女らしく思える。 志穂さんが入ったことで、和やかになったテーブル。私も少し緊張が解けてきた。 飲み物も飲み終わろうかという頃、ほんの一瞬、会話が途切れた。 そのタイミングで仲村が今日の本題を切り出す。
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