初恋は突然に2

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どんなに強い口調で責められたって「イエス」とは言えない。 「だから、考えさせてよ。こんな急じゃ、頭混乱しちゃって、返事なんてできないよ」 今日のところは答えを保留して逃げよう。面と向かって断る勇気は無いから、後日きちんと断ればいい。 これまでの人生、対人関係においては全て逃げ腰で通してきた。そんな消極的な態度の私を、仲村は簡単には逃がさなかった。 「好きな男が出来たら普通告白するだろ。相応な相手じゃなければ相応になるよう努力すりゃいいだけの話だろ。頑張ってみて、もし振られても後悔ないだろ。ダメだったら次の恋をすればいい。可愛くなった自分なら、次の恋だって一つハードル下がるだろ!いいことだらけで迷う意味が分かんないよ!」 ごもっともだ。きっと、仲村は正しい。 だけど、たくさん恋してきたあんたには分からない。みんなが振り向くほどカッコイイあんたには分からない。 「私の心は・・・方程式じゃない。あんたとは違うのよ!簡単に言わないで!」 私は荷物を持って外に飛び出した。 コンプレックス知らずの計算式と、コンプレックスだらけの計算式は、きっとイコールじゃない。 あんな恵まれたヤツに、私の心は理解できない!
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