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「もう!小学生みたいな意地悪するから!」
怒って抗議しながら体を離そうとした私を、蒼人はなかなか離さなかった。
「あんた、小っちゃいのな」
え・・・?
「こういうの、新鮮かも」
は・・・?
そう言うと、蒼人は驚いて固まる私を解放し再びソファーに腰かけた。
「この髪型、スッゲー似合うと思うよ」
そう言って微笑んでいる。
私には分からない。友達同士って、こんな感じなの?抱きしめられたりするものなの?
女の子同士で腕を組んで歩いている人とかは良く見かける。今のはそういうことだったのか・・・。
変に怒ったりすると意識してると思われそうだから、私はあえてその行為を流した。
だけど、今ので私が感じたのは、ゴツゴツとした胸板と私を包む力強い腕。
そう・・・完璧に異性だった。
立ったままの私と、ソファーに座って今度はファッション誌の目印のページを開く蒼人。
そこに志穂さんが戻って来た。
「お待たせ~」
「う、うわ・・・、美味しそう!」
事実、本当に美味しそうなバジルのパスタを見て私は言った。けど、チョット声が上ずったかも・・・
それを見逃すはずもない志穂さんは首を傾げた。
「何かあった?サラちゃん、顔赤いし・・・」
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