変身と悪魔の仕上げ

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三時のおやつに私の手土産のケーキを楽しんで、それからはメイクの練習を始めた。 昨日の『ぴのきお』からの帰り道、三人でドラッグストアに行き、私は基本的な化粧品や道具を志穂さんに教えてもらいながら購入していた。 「まだ若いからいいけど、そろそろスキンケアもきちんとしないとね」 そう言って、化粧水パックの方法から丁寧に教えてくれた。 普段、一切何もしない私の顔にナチュラルなメイクが施され、顔周りの髪の毛を編み込んできれいな纏め髪が作られた。 「どう?」 ポンと肩を叩いて完成の合図をくれた志穂さん。 メガネを外している私はズイッと鏡に近づいて、よ~く自分を観察した。 「す、すごい・・・」 あんな、垢抜けない私が・・・ 「ウフフ。私も予想以上の出来上がりにビックリよ。本当にかわいいわ。ね、蒼人」 上機嫌な志穂さんが蒼人に感想を求めた。 「うん。かわいいね」 「ホント、妹にしたい」 後ろで二人が何か話しているけれど、私は鏡に夢中で聞いて無かった。 明日、せめて髪の毛だけでもキレイに纏めて会社に行こう。 自分に手間をかけてやるって、こんなに凄いことなんだ。 私は、今まで自分に何一つ手間を掛けてあげなかったことを、自分自身に詫びた。
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