変身と悪魔の仕上げ

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それから一週間は、週末のことで頭がいっぱい。 私は課長がどういう反応をするのか、少し心配だった。 先日、お茶出しの時に『髪ばかりいじってるから柳本さんに頼んだ』と言った課長。もしかすると、外見ばかり気にする女性を良く思ってないのかもしれない。もしも私が突然おしゃれとかしたら、浮き足立っているように見えるだろうか。 私は今さら、そんなことを気に病んでいた。 週の半ばだった。 「最近は何だか雰囲気違うね」 仕事中、廊下ですれ違う時に斎木課長が声を掛けてきた。 「す、すいません・・・」 実はこのところ、密かにまとめ髪や編み込みの練習をしていて、センター分けで縛っただけという髪型は封印していた。 私は課長が「余計なことだ」と注意するのではと思い、思わず謝ってしまった。
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