変身と悪魔の仕上げ

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『その時』が待ち遠しいような、怖いような。そんな気持ちで過ごした一日だった。 幸いにも時間通りに終了した業務。私は席を立ってタイムカードを押した。 待ち合わせの美容院までは電車移動も合わせて約四十分。本当に、いよいよだ。 「お疲れ様でした。お先に失礼致します」 オフィス内に軽く会釈する。出来れば余裕を持って到着したい。私は速足で歩き出した。 出口に向かって迷うことなく進む私の視界を、茶色の重厚そうなドアが遮った。 「きゃあ!」 ドアにぶつかると思ったけれど、実際にはさらにドアの前に現れた誰かにぶつかった。 カシャン・・・ 倒れたのと同時に、床に落ちてしまったメガネ。 「ご、ごめんなさい・・・」 咄嗟に私は謝った。
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