変身と悪魔の仕上げ

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「女の子をそんな姿で帰せないよ」 課長は私の腕をガッチリと掴んで引き止めた。 「で、でも、予約の時間に間に合わないんです・・・私、大丈夫ですから」 片手は壊れたメガネを支えたまま。大好きな課長の目の前で、こんなカッコ悪い状態なんて・・・。早くここから離れたい。 なのに課長は私の腕を離そうとはしなかった。 「大丈夫です」「いやそういうわけには」なんてやり取りを数分続けた挙句、私は今、社用車の助手席に座っている。 ちょうど本店に用事があるからと、課長が乗せてくれたのだ。そんなタイミング良く用事があるのかどうかは分からない。もしかして、気を使った課長が無理に用事を作ったのかもしれない。 「何の予約なの?」 「は、はい。美容院です」 「髪切るんだ?」 「はい。少し短くしてみようかと・・・」 「へえ!それはさぞかし可愛いだろうね」 「い、いえ・・・」 二人きりの車内で、課長は気を使って話してくれる。 その程度の会話で済めばよかったのだけど、話は思いもよらない展開を見せることになる。
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