変身と悪魔の仕上げ

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「・・・」 声にならなかった。これが、私なの? 顎と同じくらいの高さになった髪は軽やかに踊り、少し明るくなった髪色のせいもあるのか凄く華やかな印象になった。 自分で見ても今までの陰気で根暗なイメージは一新されている。 美容師さんが手鏡を持って来て私に手渡す。椅子がクルリと反転して、合わせ鏡で後ろのスタイルを確認した。 「いかがですか?」 美容師さんの問い掛けに、私は「はい。ありがとうございます」と応えた。 志穂さんは隣で嬉しそうにしている。 普段の髪の手入れの仕方やセットの仕方を聞いて、志穂さんも使っているというお勧めのシャンプーやトリートメントをその場で購入した。 遅い時間からの予約だったので、全て終了して美容院を出た時は既に午後8時30分を回っていた。
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