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仲村が、いや、蒼人が再びこちらを振り返った。
ようやく止まってくれた彼に追いつこうと、敗北感いっぱいの心を抱えて歩を進める。
遠かった姿が近づくにつれて、蒼人の顔がはっきり確認できる。
満足気に、偉そうに、だけどすごく優しい笑顔。
私はその笑顔の前に立った。
「早く呼べば良かったのに」
昨日と同じように、頭をポンポンと叩く。
その優しさと溶けそうな笑顔に、不覚にもぽ~っとなった。
ちょっとだけ、蒼人にキャーキャー言う女の子の気持ちが理解できた気がする。
「サラ。行くぞ」
そう言って歩き出した蒼人。
今度は急がなくても、横に並んで歩くことができた。
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