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「そんな安くていいの?」
清水の舞台から飛び降りた私のわがままを、課長はいとも簡単に受け止めた。
言ってみて良かった。また二人でランチを食べることができる。そしたら今度は失敗しない。暗い話したり、泣いたり、絶対しない。
「はい。またカツサンド食べたいです」
「気に入ってくれたんだ?嬉しいな」
課長は嬉しそうに言うと、「ん~」とうなって数秒考え事をしている様子だった。
そして「うん!」と思いついたように手を打った。
「カツサンドも美味いんだけど、美味い寿司屋があるんだ。今度はディナーにしよう!」
「へ・・・?」
え、え、え――――っ!!!
「その寿司屋がね・・・」
寿司屋の説明、全く耳に入らず。
この数日間、緊張し続けたのに、これから髪を切ることも忘れかけた程だ。
ランチからディナーへの格上げ。
こんな奇跡みたいな展開あり???
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