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「サラ、何持ってるの?」
蒼人は私の持って来た手土産を指差した。
「昨日、志穂さんがウチの近くのケーキ屋さんが美味しいって言ってたから」
ケーキの入った箱を少し上に上げて蒼人から見えるようにした。
「オレのもあんの?」
「一応ね。一番安いのあげる」
「ちぇ~、ひでぇな」
ふてくされながら、蒼人は私の手からケーキをヒョイと取り上げた。
「持ってやるよ」
重いものではないけれど、両手に荷物を持ってると歩きにくい。
さすが、やることが慣れた感じで、嫌みがなかった。
しかも、女の子扱いされたようで、ほんの少しだけ嬉しい。
世間一般の女の子は、常にこういう扱いをされているのだろう。ただ、私にとっては新鮮で、こんな私に女の子として接してくれる蒼人は、やっぱり変なヤツだ。
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