変身と悪魔の仕上げ

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玄関で呼び鈴を押すと、志穂さんが明るい声と共に現れた。 「いらっしゃい。待ってたのよ」 声を弾ませる彼女はいたって元気そうで昨日と同様、心を病んでいるとはとても思えない。 そしてそのまま嬉しそうに、私たちを家へ招き入れた。 志穂さんは私たちをリビングに通し「飲み物持ってくるわ」とキッチンへ向かった。 ソファーに座った蒼人が、マガジンラックから雑誌を取り出して見始めた。 あれ・・・このファッション誌前に蒼人が会社で私に渡そうとしたのと同じだ。 それに、マガジンラックの位置とか・・・この家を良く知っているみたい。 どう見ても結婚してから建てた感じの新しい家なのに・・・。 ちょっとした違和感を覚えた。けれど、センスの良い家具やオシャレな小物に気を取られているうちに忘れてしまった。
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