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作戦会議と言いながら、志穂さんのアドバイスに頷いて終わりだろうと思っていた。
ところが、志穂さんの作戦は私の想像とは少し違っていた。
「まずはサラちゃん、どんな感じになりたいの?」
「え?どんな・・・ですか?」
「例えば、お嬢様系とか、ボーイッシュとか、エレガントとか」
「え?突然そう言われても・・・」
おしゃれに興味の無かった私は、自分がどう変わりたいのか分からない。
戸惑う私を見て、志穂さんは10冊ほどのファッション誌をテーブルの上に並べた。
「時間かかってもいいから、良いなと思うスタイル5つくらい選んでみて。その中でサラちゃんに合う感じを選ぶから」
そう言われても困ったな・・・と思ったけれど、私はおずおずと本を手に取った。
驚いたことに、最初は気乗りしなかったはずの私が、ページをめくる毎に、その華やかな世界に夢中になっている。
雑誌の中の小さな記事も、知らないことが満載で驚かされるばかりだ。
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