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蒼人、どんな顔するだろう。変だって笑われたらどうしよう・・・。
昨夜までに自信は消え、私は不安に襲われていた。
ただ、蒼人一人に会うだけなのに、こんなに反応が気になるなんて、火曜に会社に行く時はどうすればいいのだろう。
ましてや会社には課長が・・・。
公園の噴水前で不安に襲われていると一通のメールが届いた。
《ごめん。五分くらい遅れる》
蒼人からのメールに《了解》と返信を打つ。
笑われるのを先延ばし出来たとも思えるけど、不安な時間が長くなったともいえる。
私は一つ深呼吸して気持ちを落ち着けようとした。
「待ち合わせ?」
突然声をかけてきた見知らぬ男性。
「私・・・ですか?」
何かの勧誘かと思った。街に出るとたまに会う。
「うん。時間あるなら遊ぼーよ?」
「え・・・と」
勧誘じゃないの?私は狼狽えた。
「デートなの?」
その男性は更に質問をぶつけてきた。
「デ、デートじゃないですし」
私が答えると、男性は私の手首を掴んで引っ張る。
「じゃあ、行こうよ」
「え!こ、困ります!」
私は必死に抵抗した。
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