変身と悪魔の仕上げ2

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「何してんだよ!」 勢い良く私たちの間に割って入り、男性の手を捻り上げたのは、蒼人だった。 「イテテテ!デートならデートだって言えよ」 男性はバツが悪そうに、急いでその場を立ち去った。 蒼人は怖い顔でその男性の背中を睨んでいる。 「ありがとう・・・」 良かった。どうなるのかと思った・・・。私はホッとしてお礼を言った。 「バカか?ああいう時はデートじゃなくてもデートだって言うんだよ!」 素直に感謝したのに、キツい口調で怒鳴った蒼人。今日初めての会話が説教だった。 蒼人はくどくどと暫く説教を続けた。私も最初は申し訳ないと思った。だけど初めての経験で仕方なかったのだから大目に見て欲しい。せっかく頑張ってオシャレして化粧もしたのに、そこには一切触れないし。 しかも周りには大勢の人。 「ごめんなさい」 早くお説教を終わらせたくて、私は俯いて謝った。 パチン! そんな私のオデコを軽く弾いた蒼人は困り顔で私を見ている。 「サラは無防備なんだよ。そんなにキレイになったらさ、これからは声も掛けられるだろ。気をつけろ・・・」 「・・・」 今、キレイになったって言った・・・。 お説教を切り上げて歩きはじめた蒼人の後を、私は慌てて追いかけた。
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