変身と悪魔の仕上げ2

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「食事の前にさ、ちょうど見たい写真展やってんだ。寄っていいか?」 「うん」 待ち合わせは、夕食には早い午後5時だった。そもそも行くつもりで早めの待ち合わせにしたのかもしれない。 待ち合わせ場所にほど近いギャラリーで開かれているのは『空』がテーマの写真展らしい。 「オレ、写真好きなんだ。志穂さんの弟と仲良くなったのも写真がきっかけだった。まぁ、アイツみたいに仕事にしようと思える程じゃないけどな」 「そうなんだ。なんか意外だね」 「どういう意味だよ」 現実至上主義って言えばいいのだろうか。蒼人の自信たっぷりで現実を見つめている感じ。 一瞬の奇跡を切り取った幻想的でロマンチックな写真なんて、蒼人からは遠いもののように思えた。 しかもテーマが『空』だなんて、都会的な蒼人には、何だか不似合いだ。 「どちらかというと、報道写真とか好きそうなイメージだったから」 「そっちも嫌いじゃないけどな」 正直に答えた私に、蒼人は笑顔を返した。
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