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「これなら斎木もイチコロだな」
「ひゃぁ!」
耳元で囁かれてゾクリとする。キスされるのかと思った・・・。
「目なんか閉じて、キスされるとでも思った?」
してやったり!と満足気な蒼人の笑顔。
そのまんま図星を指され、頭の中がカーッとなる。
「な、思ってないしぃ・・・」
完全にからかってる。先日、突然抱きしめられた時も確か蒼人はこの笑顔を見せた。
「すっげーかわいいから、本当でキスしそうだった」
「危ない危ない」と言いながら再び歩き始めた蒼人。
「う~っ・・・」
蒼人の悪戯はたちが悪い。私の心を乱し過ぎる。
不満を唸りで訴えながら、引かれる手に導かれて渋々私も歩き出す。
蒼人の意地悪!
そう心の中で叫んだ。
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