166人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
到着したギャラリー。さすがにここでは、蒼人も私の手を離した。
「もし興味なかったら、ごめん。ちょっとだけ付き合って」
正直今まで写真展に足を運ぼうと思ったことは無い。だけど、実際にたくさんの写真を観ることで、何かしら感じるものはあるだろう。
もしかしたら興味を持てるかもしれないし。
「うん。今日観たら私も何か感じるものがあるかもしれないし。楽しみ」
私がそう言うと、蒼人は嬉しそうな顔をして、私の頭に手を置いてクシャクシャと髪を乱した。
「よしよし。良い子だ」
「・・・」
もう、犬扱いして・・・
大きな声を出せる雰囲気じゃないから、不機嫌に頬を膨らませて不満を訴える。
蒼人は私の怒りを気にする様子も無く、クスリと笑って奥へと歩き始めた。
最初のコメントを投稿しよう!