変身と悪魔の仕上げ2

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蒼人にも、この感動を伝えたかったけれど、私は電話もメールもしなかった。 こちらから電話したことも無いし、メールも全て蒼人から。メールも電話同様、彼からの返信が無くなるのが終了の合図だ。結局、相手の状況を気にしすぎて自分からはアクションを起こせない臆病者なのかもしれない。 髪を切ってもそれは変わらなかった。 最近、夜はメイクの練習。本を読みながら鏡と睨めっこ。おかげで、志穂さんにしてもらったようなナチュラルに見えるメイクが出来るようになった気がする。 制服のスカート丈は近所の服のリフォーム屋さんに頼んで帰った。 あとは明日コンタクトにして靴と洋服を購入するだけ。 今回、夏のボーナスかなり使ったな・・・だけど、これくらいの充実感が得られるなら高くはない。 練習したメイクをお風呂で落とし、湯船で足をマッサージしながら半身浴。 これも、志穂さんが貸してくれた本に載っていて、読んだ日から始めた日課。 みんな、キレイでいるためにこんなに努力してるんだな・・・ なんて、遅ればせながら女の子の端くれになった自分に浸っていた。
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