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髪を切った時の話。コンタクトに変えるのが意外と簡単だった話。
本当にたくさんの話をした。
「斎木とのデートっていつ行くんだ?」
「やだな、決まってないよぉ。『今度は』って誘ってもらっただけ。本当に行くのかどうかも分からないし・・・」
「サラから電話して誘えばいいじゃん」
「番号なんか知らないよ」
「え?そんな段階?」
「う・・・ん」
誘ってもらって浮かれていたけれど、改めて聞かれると不安になる。
日にちが決まっているわけじゃない。課長の携帯番号を教えて貰ったわけじゃない。
忙しい課長を、こちらから誘えるわけもない。
「そんなに可愛くなったんだ。直ぐに向こうから声かけてくるさ」
じっと黙り込んでしまった私に、蒼人が優しく笑った。
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