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このスパークリングワインが気に入って、美味しい料理をお供に三杯目を飲んでいた。
音楽の音が大きく、本当に賑やかな店内。
予約が多くてテーブル席が取れなかったんだと蒼人が残念そうに言っていたけど、もしもテーブル席だったら声が聞こえ難くて大変だっただろう。
「カウンターで良かったね~。距離が近いから声が聞き取りやす~い」
私はまた一口グラスの液体を口に流し込む。
なんだか、何もかもフワフワで楽しくて、嬉しくて、それを蒼人に伝えたくて・・・。
「ああ、そうだな」
見上げた蒼人の顔は困ったような、笑ってるような、複雑な表情を浮かべている。
「ど~したの~?」
蒼人の表情に疑問を感じて私は首を傾げた。
「そんな目で見てんなよ」
蒼人はそのまま軽く私の頬を摘まんで引っ張った。
「痛くな~い」
そう言って笑う私を横目で見ながら蒼人がボソボソとため息混じりに何か呟いたけど、私には聞こえなかった。
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