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「そ、そんな訳ないでしょ!」
「よし!じゃあ決まりだな」
「うん・・・」
上手に乗せられた感は否めないけれど、相手が蒼人ならケンカしながらでも楽しく過ごせそうだ。
「夜飯食べに行こう。どこ行くかはオレが考えとく。サラは明日のことで頭いっぱいだろうから」
「ありがとう。よろしくね」
待ち合わせは、この辺りでは有名な公園の噴水の前。時間は午後5時。それだけ決めると蒼人は今夜も終わりを切り出す。
「じゃ、めいっぱいお洒落して来いよ。斎木との寿司デートの予行演習だと思ってな」
「な!そんなことも聞いたの?」
蒼人の言葉に過剰反応した私だったけれど、蒼人はサラリと話を切った。
「その話も日曜日に聞いてやるよ」
「う、うん」
「じゃな、おやすみ」
「おやすみ・・・」
プツッ・・・ ツー ツー
いつも通り蒼人が電話を切ったのを確認し、私も電話を切った。
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