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志穂さんとのショッピングは、本当に楽しかった。
少し年齢に差はあるけれど、もしも姉が居たとしたら、きっとこんな感じだろう。
それも一人っ子の私には新鮮で、おしゃべりしながらはしゃぐ私は今までの孤独な女の子じゃなかった。
「今夜ね、主人が久しぶりに戻って来るのよ」
途中、休憩に入った喫茶店で、志穂さんが嬉しそうに言った。
「じゃあ、今夜はごちそうですね」
「ええ、頑張って作らないとね」
「明日は旦那様と何処かにお出かけですか?」
「いいえ、家でゆっくりするわ。連休だから出掛けると人が多そうだし。サラちゃんは明日何するの?」
「明日は蒼人が変身した私をどうしても見たいって言うので、夕食を食べに行きます」
どうでもいい会話のはずだった。けど一瞬、志穂さんの表情が曇った気がした。
「そうなんだ。蒼人、昨日はそんなこと言ってなかったのに・・・」
「あ、昨日の夜中に決まったので・・・」
気のせい?だったみたい。
私はすぐに忘れて、また話に夢中になっていた。
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