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蒼人がきっかけを作ってくれた今回の変身を蒼人が仕上げてくれる。
私が変われたのは蒼人のおかげ。
蒼人が私を抱きたいと思ってくれているなら、その望みを受け入れてあげることは、彼への恩返しになるのかもしれない。
「蒼人ぉ・・・いっぱい・・・ありがとう。感謝・・・してる」
私は・・・蒼人を受け入れる決心をした。
一瞬、動きを止めて驚いた顔で私を見つめた蒼人だったけれど、直ぐに何かを吹っ切るように力いっぱい私を抱きしめた。
「どこまで可愛いんだよ・・・。だけどごめん、ここでストップしてやれない」
決心はしたけれど、やっぱりまだ怖い。私も不安を振り払うため、蒼人の背中に手を回してシャツをキツク握りしめた。
正常な判断じゃなかったと思う。私の好きな人は課長で、蒼人の好きな人は志穂さんで・・・。そんな二人がこんな関係になるべきじゃない。
当然のことなのに、私は流されることを選んでしまった。
流されてもいい・・・
そう思ってしまった。
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