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蒼人の手は、慣れた手つきで私の服を脱がせていく。
徐々に露わになる肌に直接触れられると、全身が敏感に反応した。
「は・・・恥ずかしいよぉ」
明るい部屋で下着姿にまでなっていた私は、誰にも見せたことのない姿で蒼人の腕の中に居る。
ピッ・・・
片手を伸ばして枕元のリモコンを操作した蒼人。部屋は一瞬で薄暗いオレンジ色に包まれた。
「真っ暗はダメだ」
そう言うと、そっと背中に手を回す。
「下着、いつもこんな可愛いのしてんの?」
「え・・・と」
違う。いつもは単色で何の飾り気もない下着。これは、『課長』とのいざという時のための・・・。『志穂』さんに選んでもらったの・・・
どちらの名前も、口にするべきシチュエーションでは無いと思った。口にしてしはいけないような気がした。
どうしてだろう。愛する人との行為ではないのに、この時間を壊しちゃダメだと思うのは。
「サラ、奇麗だよ・・・」
私が何かを答える前に、蒼人は言葉を重ねる。
「あ・・・おと」
そして既に一糸纏わぬ姿になっている私の体に唇を這わせていった。
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