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一所懸命蒼人にしがみついた。緊張と不安と快感と・・・。完全に酔いが回ってきたのだろう、意識が朦朧としてくる。
未知の世界への恐怖心が少しずつ薄れ、蒼人が与える刺激に素直に反応していた。
非日常的空間に溺れることへの歯止めが、利かなくなったその時だった。
酔いが覚めそうな程の痛みが私を襲う。
「ふうっ・・・くぅ」
「サラ・・・力抜いて」
力を抜くなんて無理。逆に私は蒼人の腕をキツク掴んだ。
な、何これ?
余計に強張る体をどうすることも出来ない。
「サラ・・・。じゃあ、またキスの練習するよ。少し口開けて」
蒼人の言葉に辛うじて頷き、固く結んでいた唇を薄く開けて、彼の唇を受け入れる。
練習通り、蒼人のキスに応えることに集中した。
と、
「んっ・・・!」
同時に痛みを伴って、私は彼と一つになった。
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