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ガラン・・・としている。
殆ど生活感が無い。茶系の濃淡で統一された部屋のほぼ中央にソファーとテーブル。広めのワンルームの隅には一人暮らしなのにセミダブルのベッド。
高校からずっと一人暮らしなのに、こんなに生活感が無いのは不思議だ。
「ああ、何にも無いだろ?支店に転属になって、引っ越したついでに荷物整理したんだ。前の部屋は高校からずっとだったから狭くてさ」
不思議そうに部屋を見渡す私に気づいたのか、蒼人は私が言うより先に説明した。
「そっか・・・」
部屋を見れば、蒼人の趣味とか好みとか色々と分かることがありそうだったのに、転属を期に越してきたのなら、せいぜい三ヶ月程だろう。
人となりを窺わせるものは見当たらない。
私は少し残念に思った。
「ま、前の部屋もこれを狭くしただけで、何か特に変わったとこもないんだけどな」
「男の人の部屋って、もっと散らかってるイメージだった」
「それは期待に添えませんで」
笑顔で答え、ソファーをポンポンと叩いて、そこへ座るようにと私を誘導した。
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