161人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
固まって動けなくなってしまった私の目の前に現れた蒼人は、なんと全裸だ。
「キ、キャ―――ッ!」
思わず布団をかぶって隠れた私。や、やだぁ。見えちゃったじゃない。朝から心臓に悪いよぉ!
「悪い。いつも一人だから風呂に着替え持って入らないんだよね」
布団越しに聞こえる蒼人の声。昨夜彼に翻弄されながら何度も聞いたのと同じ。
だけどそれは、昨夜のように切なげで苦しげな声じゃない。完全にいつも通りの感じ。声色からは動揺してる気配も感じない。
昨夜の行為に疑問を感じて、ウジウジと悩んでいるのは私だけ?
私は布団から出るタイミングを伺いながら、同時に蒼人が何か会話のきっかけを作ってくれるのを待っていた。
最初のコメントを投稿しよう!