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関係を持った途端、冷たくなったのかと思った。だけどただの勘違い。
結局蒼人はいつも通り。それどころか、笑顔も、口調も、昨日より優しいくらいかもしれない。
暫くお互い無言。笑顔でこちらを見つめている蒼人。視線を合わすのが怖い私。
さっきから勧められた通りシャワーを浴びたいと思っているけれど、一つ困ったことがある。
「どうした?」
ベッドから動こうとしない私に、蒼人が近づいて来る。先程の間にしっかり服を着たようだ。
だけど私は・・・裸。
「ど、どうもしないから。何でも無いから」
私は手をブンブン振って蒼人を制すると、必死に服を探した。昨日、このベッドの上で脱がされたはずなのに・・・
「探し物はこれ?」
目線だけをチラリと彼に向けると、いたずらな笑顔の蒼人。その手には、私の・・・ブラ。
「・・・!」
一瞬で、体中の血液が顔に集まった。
蒼人はストンとベッドの端に座り、何も着ていない私の背中を指でなぞる。
「ひゃっ!」
私が声を上げて体をよじると、蒼人は満足そうに言った。
「昨日全部見られたんだから、恥ずかしがることないのに」
「・・・っ!」
反論しようとした私のオデコをいつもみたいに軽く弾くと、蒼人は立ち上がって私の服を持ってきてくれた。
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