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手渡された服は、きちんとハンガーに掛けられていた。
昨夜あのまま眠ってしまった私の代わりに、蒼人が掛けてくれたのだろう。
「蒼人が掛けてくれたの?」
「ああ、女の子をシワだらけの服で帰せないからな」
「ありがとう・・・」
「歯ブラシ新しいの出しといたから使えよ」
「うん、ありがとう」
私は、勝手の分からない部屋でシャワーを浴びた。蒼人の使っているシャンプーやボディーソープは、当たり前だけど蒼人の匂いがする。
昨夜征服された体を、さらに彼で染められた気がした。
これから先、志穂さんを含む三人の関係はどうなってしまうんだろう。
同僚とこんな関係になった私は、素知らぬ顔で課長とディナーに出掛けることができるのだろうか。
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