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私は、好きな人と上手にキスするために蒼人と練習した。
処女じゃ嫌がられるから、蒼人に卒業させて貰った。
そんなの、理由になんかならない。今ならちゃんとわかるのに、どうしてあの時は流されてしまったのだろう。
お酒のせいだけじゃない。もしも泣いて拒んだら、蒼人はきっと無理矢理にはしなかった。
全ては私の曖昧な態度のせい。
あの瞳に負けた。
あの声に絆(ほだ)された。
あの指先に溶けた。
仕掛けた蒼人は無罪じゃないけれど、拒めなかった私も無罪じゃない。
私たちは同罪だ。
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