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「な、な・・・何言ってるの?」
予想外の蒼人の質問に、私は動揺した。
あんな見た目で、彼氏どころか友達だっていなかった私が、キスなんてしたことあるわけないじゃない。
男の人の部屋に上がり込んで、しかも2人っきり。さらにこの状態じゃあ、否が応でも意識しちゃう。
きっと、蒼人のキレイな形の唇はたくさんのキスを経験してきたのだろう・・・。
「そんなにオレの唇見て。誘ってんの?」
「ちっ・・・ちがう!」
無意識に蒼人の唇ばっかり見てた。私のバカバカ!
どうにかして蒼人の視線から逃れたい。だけど、顔が近すぎる。
「サラ・・・。アイツとキスする時初めてじゃ、困るだろ?」
私は必死でブンブンと首を振った。そんなの初めてでも困らない。もしも本当に課長とお付き合いできるなら、むしろ初めてのキスも課長としたい。
「経験豊富なアイツのキスを、サラの拙い唇で受けるのか?」
「え・・・」
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