変身と悪魔の仕上げ3

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「そ、そんな相手居ないよ」 何意味のわかんないこと言ってるんだろう。そんなこと、蒼人だって知ってるじゃない。 「今のサラなら、相手なんか直ぐに出来るよ」 「そんな、誰でもいいみたいに言わないで」 蒼人にとっては、キスなんて何でもないことなのかもしれない。だけど、誰とでもなんて、私にはそんなこと出来ない。 「練習するなら、オレが一番適任だろ?」 蒼人の言葉に、一瞬固まる。 本当の彼氏が出来たら、やっぱり上手にキスしたい。でも初めてのキスじゃ、きっと下手くそなはず。 もしもキスの練習をするなら、優しく教えてくれる人がいい。私のキスが拙いと知ってくれている蒼人なら、私が背伸びする必要もない。 何の根拠があるわけじゃないけど、蒼人のキスが下手くそなはずがない。 蒼人なら、きっと優しく教えてくれる。 「あ、蒼人とがいい・・・?」 あれ?今私、大変なこと言わなかった? 発した言葉が正解だったのか、不正解だったのか。どんどん回ってくる酔いが、白黒ハッキリつけることを面倒がらせる。 「うん。だよな。いい子だねサラ」 私の返事に、蒼人は今までで一番優しい笑顔を見せた。
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