重ねる罪

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始業時刻となり、私の周りに出来ていた人集りも無くなった。 これで一段落。一番恥ずかしい時間をどうにかやり過ごせたようだ。 蒼人は去り際に「良かったな」と言って、私の頭をポンポンと叩いた。 つい先日までは、仕事中に自分の姿勢や立ち居振る舞いを気にしたことは特に無かった。 でも、短くなったスカート丈や踵の高い靴のせいで、自然に意識が行くようになった。 あの美人の柳原さんも、きっと普段から気をつけて、さらに磨きをかけたのだろう。 そしてあの艶っぽさは、蒼人の言う通りあの行為を重ねることによって出るのか・・・ それなら私も先日より少しだけでも艶っぽく見えているのかな・・・ 自動ドアが開いて、朝一番のお客様が入ってくる。 私は雑念を払い、仕事に取り掛かった。
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