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三人ということは、蒼人を含めてということ。
私は、あの日の出来事を志穂さんには話していない。もちろん話すべきことでは無いとも思う。
だって、蒼人は志穂さんを好きなのだから・・・。とてもじゃないけど言えない。
もしも言ってしまったら、この順調に見える友達関係が終わりを迎えるような気がして怖かった。
そんな状況で、三人で食事なんて、息が詰まってしまいそう。
昼間に受けたお誘いメールの返信が出来ないまま帰宅。
誘いを受けるのか受けないのか、受けないのなら理由はどうするのか・・・何も決められないでいた。
お風呂も終わって、部屋でどう返事をしようか考えていた。いつものアップルティーも、美味しさを感じない。
一口飲んで、ホッと一息つくはずが、はぁ・・・とため息しか出ないでいた。
ピピピピ ピピピピピピ・・・
「・・・」
不意に鳴り出した携帯。
あの日以来、初めての蒼人からの着信だった。
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