重ねる罪

22/23
前へ
/23ページ
次へ
「ま、待って蒼人!」 「・・・」 「お願い!説明して!」 「・・・」 無言で強引に私を連れて歩いていた蒼人がようやく立ち止まった。 「何なの?こんなの不安だよ」 何も言わない蒼人に、私は似たような質問を重ねている。 「サラ、ちゃんと話そう。あれからオレたち、まともに話してないだろ」 蒼人の用事って、私と話すための時間だったんだ。 全くの無関心を装っていたけれど、多少なりとも『あのこと』を気にかけてくれていたんだ。 「うん・・・」 「ゆっくり話す時間が欲しかった」 こちらを振り向いた蒼人の瞳は、真剣だった。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

133人が本棚に入れています
本棚に追加