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「おはようございます」
数人が同時に入って来た。
「ああ。おはよう」
課長が応える。
ま、待って!『話したいこと』って???
私の大きな疑問を残したままザワつき始めたオフィス。
「な、何? だ、誰?」
「えーーーっ!栗原さん???」
「なになに?どうしたの?」
「マジで!?」
大勢の同僚に囲まれた私。課長という大きなステップをクリアしてしまっていたから緊張は無いけれど、あまりにも注目され過ぎて照れる。
若者たちの騒ぎが始まると、課長はそっと席を外した。
そして、気が付くといつの間にか隣に立っている蒼人。
肝心な時に居なかったくせに、いつの間に隣に現れたのだろう。
「なあ!お前らも話に入りたいんだろ」
まるでこの場を仕切っているような態度で、蒼人が声を掛けたのは、数人の男性社員。
そう。彼らは数ヶ月前、私の背後で私の悪口を言っていた・・・
その人たちだ。
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