133人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・」
暫し無言でそれぞれの顔を見合っていた彼らが、おもむろに立ち上がってこちらに向かって来る。
「意地悪なこと言ってごめんな・・・」
バツが悪そうに謝る数人。
本当は許したくなんか無いけれど、こんなに大勢の前での謝罪は大の男にとっては苦痛だろう。
そう思うと突っ張ねるのはそれこそ大人気ないと思える。
「なんだっけ。もう、忘れちゃった。あはは・・・」
私もちょっと居心地悪くなって、笑ってごまかしてしまった。
正直、あの人たちと話すことなんて一生無いと思っていた。そんな必要も無いと。
でも、よくよく考えれば、これから先仕事上で会話をすることだって出てくる。会社の忘年会なんかでは、一緒にお酒を酌み交わす機会もあるだろう。
これを機に普通の同僚に戻れるなら、それが一番良いのだと思い直した。
それに、あの悪口がきっかけで蒼人と話すようになり、今回私は変わることが出来たのだから。
もしかして・・・
蒼人はわざと仲直り出来るように、彼ら誘導したのかもしれない・・・。
なんて、私の考え過ぎかな。
最初のコメントを投稿しよう!