重ねる罪2

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カツサンドの店は、会社からは近いけれど、裏手の通り沿いだから会社の人には気づかれにくい。 きっと、それを計算に入れて場所を選んでくれたのだろう。 刻一刻と迫る午後6時。私は緊張でカチコチになりながら課長を待った。 約束の午後6時にあと2分程という時だった。 黒い高級車が目の前に停まる。 ドアが開き、脚の長い長身の男性が出て来た。 「お待たせ。さ、乗って」 完璧。 非の打ちどころがない。流れるような一連の動作に思わず見惚れる。 「栗原さん?」 固まる私にもう一度声を掛ける課長。 「は、はい。ありがとうございます!」 緊張した私の様子にクスクスと笑い堪えながら、助手席のドアを開けてくれた課長。 私は急いで車に乗った。
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