重ねる罪3

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「無理にじゃないんだけど」 話し始めた課長。私はゴクリと唾を飲み体を強張らせた。徳利一本程度の酔いでは、今夜のメインイベントを楽しむ余裕は生まれてこない。 「はい」 私は前を向いていられなくて、少し俯いて両手を膝の上で握った。 「君はまだ若いから、こんな話は・・・とは思うんだけど」 「は、はい?」 少し期待できる前置きに、私の心臓はドキドキを音をたてはじめる。 だけどまだハッキリとした内容は掴めない。 「僕は君しかいないと思ったんだ」 「は、はい!」 もうダメ。早く、早く結論を! 私はきつく目を閉じた。 「あ、その前に、今回僕が何のために支店に来たのか説明しないとね」 「・・・」 さっきまでの話の流れが大きく変わる。 変化した流れに、緊張していた体の力が抜けるのを感じた。 話は多分、私が期待しているような内容じゃない。
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