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「本店の融資事務のベテラン女性が三月いっぱいで退社するんだよ・・・」
課長はここに至る経緯を丁寧に説明し始めた。
今回、支店に来た本当の理由は人材探し。退社して空く穴を埋めるためだが、あまり年配の人だと、また直ぐに次を探す必要がある。中堅職員を入れて長期間任せられるようにしたかったのだそうだ。
「正直、君は若すぎる。だけど、仕事に関しては信頼できる。それはこの数ヶ月で実際に確かめさせて貰った。若すぎるという反対もあったけど、僕が強く推薦したんだ」
急な話すぎて、どうして良いのかわからない。
私の期待とは、全く違う方向性。自分の勘違いの甚だしさに呆れてしまう。
と同時に、事の重大さに戸惑ってしまう。
「あの・・・つまり・・・」
大体の話は掴めた。私は課長に結論を求める。
「ああ、本店に勤務して欲しいんだ。引き継ぎもあるから、二月中には異動をと考えている」
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